よその犬を故意に怒らせることの罪の重さ

少し前の話。

つるちゃんより半年くらい若く、会うと猛烈に吠える超小型犬が近所にいる。
お互いまだ子供だった頃なら最初は多少吠えていても仲良くなれそうな雰囲気ではあった。
向こうはただ犬だ犬だと興奮しているだけで、つるちゃんは吠えられても大して気にしていなかったから。

でもその頃は散歩中に鉢合わせすると、飼い主さんは「うちの犬はバカだから」と言い迷惑そうに逃げていた。
「バカだから」というのはどうかと思うが、他の犬が苦手なら無理に会わせる必要はないし、徹底的に避けて平穏を守ってあげることも大切だろうとこちらも見かけてもスルーしていた。
成犬になったつるちゃんは少しずつネガティブな経験も積んでしまい吠える犬がすっかり嫌いになったし。

数日前の散歩中、その犬が前方を歩いていたものの、だいぶ離れていたしいつものように足早に進むだろうとそのまま後ろを歩いてたら、なんか変。吠えながら待ってる。

いつもと違うなと思いつつ、一本道で戻るわけにもいかない状況だったのでそのまま進み、6m道路の反対側に避けて追い抜こうとしたらこっちに来る。

👵うちの子吠えるからちょっと怒られた方がいいんです（ｸﾞｲｸﾞｲｸﾞｲｸﾞｲ

えええーーーーー！

つるちゃんを逃がしても逃がしても吠える犬をこっちにグイグイ寄せてくる。

あまりにしつこいのでつるちゃんもｳﾊｯとか威嚇しそうになると、

👵いいのいいの怒ってもらいなさい

なんでうちの子が怒らないといけないの。

つるちゃんは2歳になって少し経った頃、他の犬に威嚇するようになった。
子犬の頃から他の犬から吠えられてばかりだったのが、私は初めて自分の犬が吠えたり唸ったりすることで悩むようになった。
小型犬とは違って声も太く、相手が小さければ威圧感も相当なもの。

平穏な散歩を取り戻したくて、つるちゃんを悪者にしたくなくて、すごく悩んだ。
子犬の頃から本当に親しくしてくれている友達以外からは徹底的に距離を置き、「社会的距離を保てば大丈夫」「怒る必要はない」という経験を少しずつ積み、今は小さい頃に吠えられたことがある特定の犬や元々苦手な犬種以外とは普通に挨拶出来るし挨拶する気がなければ素通り出来るようになった。

もちろん本人が必要とする社会的距離は必ず取り、苦手な犬は視界に入っただけで避けるようにしてる。
これらの点を無視したら結局また他の犬に過剰反応する経験を積むから。

我々にはそうやって悩んで努力して時間をかけて積み上げてきたものがある。

それを一切無視して私ですら踏んづけそうな距離まで犬を近付けてくるとは。
おまけに飼い主自身手に負えないほど吠え散らかす犬を、赤の他人の犬にしつけろと。怒れと。

相手の想像する「怒る」とはワンと言い返してほしいという程度のことだろうが、あの状況でつるちゃんが「怒る」としたらこのようなもの↓

※直前に同居猫テツ子から前足を齧られてムカムカしており「近寄るな」と追い払った時の動画（解決済）

2kg程度の小ささとはいえ飼い主が制御する様子もなく攻撃的に吠えて迫ってくる犬につるちゃんは恐怖を感じていたと思う。恐怖のあまり噛んだらどうするのだろうか。我々は加害者にさせられるのだろうか。

ちなみにつるちゃんは驚いて威嚇しそうになったものの、すぐに
🐶お母さんお肉持ってるでしょ？
と、仲良くしたくない犬が来た＝お肉をもらえるチャンスと教えられていたことを思い出し、この期に及んでまだ
👵一緒に歩きましょう
と言ってくる相手の飼い主にそっぽ向いてお肉もらいに来た👏

自分の犬のしつけのために他人の犬に怒る経験を積ませることは本当に罪作りだと思う。
これまでコツコツと積み上げたものを崩され、場合によっては加害犬に仕立て上げられ、当たり屋にでも遭ったみたい。

犬育てがうまくいかなくて方針を変えるのは結構なこと。
でも自分の犬は自分で教育しなさいよ。
育て方が分からないならお金を払って専門家に頼みなさい。

私も犬からあんなに敵意を向けられたことはなかったから怖かった。
正直あの犬種の顔はもう見たくないほど苦手になった。

つるちゃんに「大丈夫」の経験を積ませることに一生懸命だったけど、私も私でこういうﾄﾝﾃﾞﾓ飼い主の回避術を身につけないといけないなと反省した出来事。